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民事

18歳は、「成人」

桜も咲き始め、春ですね。

 

年度末になると、今年の4月から「○○が変わります」とか「○○が値上げします」等の記事が目に付きますよね。

今年は、何が大きく変わるって、それは「成人」年齢です。

民法4条(成人) 年齢18歳をもって成年とする。

ご承知の通り、これまでは、成人といえば、20歳でしたが、4月からいきなり18歳になります。

 

 

成人か、未成年か、これは法律行為においては大きな分岐点になります。

 

このブログは、未成年が見ているとは思えないので、今回はお子様がいる親御さん目線で注意点を書きたいと思います。

 

 

自分の子どもが、18歳で成人になる。

 

 

これが、どんな影響力をもつでしょうか。

 

 

例えば・・・・

離婚では(えっ、いきなり離婚の場合・・・)

 離婚をする際に、お子様がいる場合は、どちらが親権者になるか決める必要があります。

 親権者を決める必要があるのは、未成年までなので、18歳以上の子はもう未成年ではないので親権者を決める必要がありません。

 え、そうすると養育費はどうなる?!18歳になったらもらえない?

 この点、実務上は、18歳成人になっても、多くのケースで20歳まで養育費をもらうケースがほとんどです。

 そもそも、養育費というのは、法律上の「成人」云々より、「扶養の必要性」で判断されるので、現状でも高校で卒業して働く場合は、養育費の支払い対象にはなりません。

 従って、18歳成人になっても、お子様が高校を卒業して大学、専門学校等に進学する場合は、卒業するまで支払ってもらうケースがほとんどですので、ご安心ください。

 

 

次に、離婚に関係なく、18歳成人になるとこんな危険が・・・

①お子様が、自分の判断でどこかで借金してくるかもしれません。

 

②お子様が、勝手にバイトを決めてくるかもしれません。

 

③お子様が、クレジットカードを作ってくるかもしれません。

 

④お子様が、超高額が買い物をしてくるかもしれません。

 

⑤お子様名義でしていた、あなたのへそくり口座、下ろせなくなるかもしれません。

 

 

 

①~④について、これまで20歳未満の子がやってしまっても、「未成年者取り消し」によって、取り消しが可能でしたが、今後はできなくなります。

①や③は、金融機関側に制限や審査を慎重にするよう呼びかけがされていますが、どのような運用になるか不透明ですし、流石に、高校生等への貸付は無いともいますが、18歳で働いている子に対しては、安易な貸付がされる可能性が否定できません。

 

 お金の貸し借りは、個人間でも可能ですので、変な大人から、大きなお金を借りてしまってトラブルに巻き込まれる可能性は否定できません。注意が必要です。

 

 親御さん世代はご経験があると思いますが、例えば、私も大学生だったころ、東京のデパートに行った際に半ば強引にデパートのクレジットカードを作らされそうになったことがあります。こちらが「いらない」と断っても、相手は「ポイントも貯まるよ」とか、「今作れば、割引がもらえるよ」と誘ってきます(今もこうゆう勧誘は後を絶ちませんが)。そこで、「私、19歳なんですけど」って言うと、相手も、「えっ」となり、「親に確認します」と言ってその場で電話をかけて親に確認し、「親が駄目だって言ってます」と言えば、そこでしつこい勧誘も終わりました。

 

 この手が4月から使えなくなります。

 

 

 18歳であれば、自分の意思、判断で乗り切る必要があります。

 

 18歳の子どもが、大人からの強引な勧誘に打ち勝つほどの明確な意思を持って拒否できるとは思えないんですよね。

 

 18歳で高校を卒業し、就職したり、進学して親元を離れる方は特に注意が必要です。

 

 

 ここで、大事になるのが、学校や家庭での教育というか、刷り込みです。

 今の学校でどのような消費者教育、金融教育がなされているのか不明ですが、おそらく、学校での教育には限界があると思います。

 

 そこで、各ご家庭でもお金の話、成人になることの意味、責任が生じると言うこと、取り消しができないということなどを常日頃から話していくことが大事かと思います。

 

 例えば・・・

   ・欲しいものはお金を貯めてから買う。

 

   ・はっきりと断る。目の前の奴は責任を取ってくれない。取るのは自分。

 

  ・うまい話には裏がある。

 

  ・楽して稼げる方法はない。

 

  ・後から取り消したければ「クーリングオフ!」という制度がある。

 

などなど。

  お金を貯めてから買うことや、はっきりと断るなどは、大人でもなかなかできないことです。甘い話に乗ってしまう大人もたくさんいます。

 

  大人でも難しいことが、18歳になった子がいきなりできること無いので、子ども達に、日頃からこういった価値観をすり込むことが大事だと思います。

 

 

 

 最後に、地味に大事かも、と思うのが⑤です。

 へそくり口座と書きましたが、へそくり口座でなくても、お子様名義でお子様の進学費用等を積み立てしたり、定期預金にしたりしている親御さんは多いと思います。

 

 例えば、18歳の高校3年生の冬、無事に大学の進学が決まりました、入学金の支払いが必要です。お子様の名義の定期を解約して振り込もうと思っていました。 

 

 満を持して、金融機関の窓口に行ったら、「名義人ご本人を連れてこないと下ろせません」と、言われ、振込ができず、入学資格を失うとなったら、もう悲劇以外の何者のでもないです。

 

 これは、大げさでも何でも無く、ほぼ100%金融機関の対応として、名義人が成人していれば、名義人本人確認の上に行うということになると思います。めんどくさいことになる前に、大きめのお金を定期預金にしている場合は、お子様が18歳の誕生日を迎える前に、ATMで下ろせるように普通預金に戻しておく等の対策をしておいた方が良いと思います。

 

 

 色々書きましたが、18歳成人になり、子ども達の立場から見れば、親の同意なく携帯電話も契約できるし、通帳もつくれるし、バイトもできることになり、助かる子ども達が増えるのも確かです。

 悪いことばかりでは無いと思いますが、親の世代が「20歳成人世代」なので、「18歳」なんかまだまだ未成年、親の同意がなくては何も出来ないでしょう、おかしなことがあっても取り消せる、と油断しているととんでもないことになりかねないので注意してください。

 

 

 

 

  • 2022.03.29 火曜日
  • 民事
  • 4:52 PM
  • by 栗田法律事務所